LINEのブロック率が上がる本当の理由と、下げるための配信設計チェックリスト

LINE公式アカウントを運用していると、必ず一度は突き当たるのが「友だちが増えているのに、届く人が増えない」という壁です。

その原因はブロックです。そして多くの店舗が「配信しすぎたからブロックされた」と考え、配信回数を減らします。ところが、回数を減らしてもブロック率はあまり改善しません。売上だけが落ちる、というケースも珍しくありません。

結論から書きます。ブロックの本当の原因は「頻度」ではなく「関係のない内容が届くこと」です。 自分に関係のある内容なら、週2回届いても人はブロックしません。逆に、関係のない内容なら月1回でもブロックされます。

この記事では、ブロック率の正しい計算方法から、ブロックが起きる4つのタイミング、そして「頻度を削る」以外の下げ方までを、実務でそのまま使える形で整理します。最後に10項目の配信設計チェックリストを用意しました。

この記事でわかること

  • ブロック率の計算方法と、管理画面のどこで確認するのか
  • ブロックが集中する4つのタイミングと、そのうち最も多いのはどれか
  • 「配信頻度が高いとブロックされる」が半分しか正しくない理由
  • ブロック率を下げるための具体的な打ち手と、そのままコピーできるチェックリスト

目次

1. ブロック率はどう計算する?まず現状を数字で把握する

対策の前に、まず自社の数字を出します。感覚で「最近ブロックが多い気がする」と話していても、打ち手は決まりません。

計算式はシンプル

ブロック率(%) = ブロック数 ÷ 友だち追加数 × 100

友だち追加数は「これまでに追加してくれた人の累計」、ブロック数は「そのうちブロックしている人の数」です。たとえば累計10,000人が追加し、2,800人がブロックしていれば、ブロック率は28%になります。

管理画面での確認場所

数字は LINE Official Account Manager から確認できます。

ステップ操作内容
1LINE Official Account Manager にログインする
2上部メニューの「分析」を開く
3左メニューの「友だち」を選ぶ

この画面に「友だち追加数」「ターゲットリーチ」「ブロック数」が並んで表示されます。期間は7日間/30日間などで切り替えられるので、累計だけでなく「直近30日でどれだけ増えたか」も必ず見てください。

ターゲットリーチと友だち数の違い

もう一つ押さえておきたいのがターゲットリーチです。これは「配信の対象になる友だちの人数」を示す指標で、ブロックしている人は含まれません。

ただし属性の推定可否などの条件が絡むため、単純な「友だち追加数 − ブロック数」と完全に一致するとは限りません。実務では「友だち数=届く人数ではない」という一点さえ押さえておけば十分です。

目安はどのくらいか

一般に、LINE公式アカウントのブロック率は20〜30%程度が平均的な水準と言われます。ただしこれは業態・友だちの集め方・運用方法によって幅が非常に大きく、10%台に収まっているアカウントもあれば、40%を超えるアカウントもあります。

ポイント: 他社平均と比べることにあまり意味はありません。見るべきは「自社の先月と比べてどうか」です。前月比で上がっていれば、直前の配信に原因があります。


2. ブロックが起きる4つのタイミング

ブロックは、いつでも均等に起きるわけではありません。発生しやすいタイミングは、はっきり4つに分かれます。

タイミング何が起きているか発生量の傾向
① 友だち追加の直後目的(クーポン等)を果たしたので消す最も多い
② 初回配信が届いた時「こんな通知が来るのか」と気づく多い
③ 配信頻度が上がった時通知が積み重なって煩わしくなる中程度
④ 内容がズレた時「自分には関係ない」と判断される中程度・じわじわ効く

① 友だち追加の直後 ― ここが最大の穴

もっとも多いのが、追加してから最初の数日以内の離脱です。

構造を考えれば当然です。レジで「LINEを追加すると今すぐ500円引きです」と案内された人は、割引を受けるために追加しています。 会計が終わり、目的が果たされた時点で、そのアカウントを残しておく理由がありません。

つまり、この層は「配信に嫌気がさして消えた」のではなく、最初から短期滞在のつもりで入ってきているのです。ここに対して「配信頻度を減らす」という打ち手は、まったく効きません。

必要なのは、追加直後の数分〜数日のあいだに「クーポン以外に残す理由」を渡すことです。これは第6章で詳しく扱います。

② 初回配信が届いた時

追加時点では「まあいいか」と思っていた人が、実際に通知を見て判断を変える瞬間です。ここで内容がいきなり「本日限定セール開催中!」だと、「宣伝アカウントだった」と認識され、そのまま消されます。

③ 配信頻度が上がった時

セール期やイベント期に配信を増やすと、確かにブロックは増えます。ただし後述するとおり、増えるのは「もともと関係が薄かった層」です。頻度は引き金であって、原因そのものではありません。

④ 内容がズレた時

もっとも見落とされやすいのがこれです。たとえばメンズカット専門で来ている顧客に「まつげエクステ新メニュー」の案内を送る。学生向けプランの利用者に「法人契約のご案内」を送る。

1回では消されません。しかし3回、4回と続くと「このアカウントは自分向けではない」という判断が固まります。 ブロック率がじわじわ上がるアカウントは、たいていここが原因です。


3. 「配信しすぎ」は本当の原因ではない|ブロックの正体は”無関係な通知”

「配信は月2回に抑えているのに、ブロック率が下がりません」

こうした相談は非常に多いです。原因は明快で、頻度を下げても「関係のなさ」は変わらないからです。

人は何を基準にブロックを押すのか

自分のスマートフォンを思い浮かべてください。毎日届くのに消していないアカウントがあるはずです。天気、配送状況、よく行く店のポイント通知。一方で、月に一度しか来ないのに消したアカウントもあるはずです。

判断基準は回数ではありません。「この通知は自分に関係があるか」の一点です。

配信の性質週2回月1回
自分に関係がある内容残る残る
自分に関係がない内容すぐ消されるやがて消される

頻度が効くのは、あくまで「関係のない配信を、より速く不快にする」という形でだけです。分母である「関係のなさ」を放置したまま頻度だけ絞っても、離脱のスピードが少し遅くなるだけになります。

だからセグメント配信が効く

ここから導かれる打ち手がセグメント配信です。全員に同じ内容を送るのをやめ、条件に合う人にだけ配信する。

たとえば友だち10,000人のうち、実際にその案内が関係あるのが3,000人だとします。全員配信をすれば、7,000人にとっては「関係のない通知」になります。この7,000人分のマイナスが、毎回積み上がっていきます。

逆に3,000人に絞れば、関係のない通知はゼロです。配信回数を増やしても、受け取る側にとっては「自分に関係のある案内が届いた」という体験にしかなりません。

ポイント: 「配信を減らす」のではなく「関係のない人への配信を減らす」。この2つはまったく別の施策です。前者は売上が落ち、後者は落ちません。

具体的な絞り込みの設計は“全員に同じ配信”をやめる|顧客追加項目×条件配信で実現するOne to Oneメッセージで解説しています。


4. ブロック率が上がると何が損なのか(到達コストの観点)

「ブロックされても、その人に配信されなくなるだけ」と考えるのは危険です。実際には3つの損失が同時に発生します。

損失① 友だち獲得にかけたコストが消える

チラシ、店頭POP、キャンペーン原資、スタッフの声かけ。友だち1人を集めるには必ずコストがかかっています。

仮に、友だち1人あたりの獲得コストを500円と置いた架空のモデルで試算してみます(実際の数字は業態によって大きく異なります)。

友だち10,000人のアカウントで、ブロック率が20%から30%へ10ポイント上がったとします。

10,000人 × 10% = 1,000人が離脱
1,000人 × 500円 = 500,000円分の獲得コストが失われた

ブロックは「配信が届かなくなること」ではなく、「過去に払った獲得コストの消滅」です。

損失② 同じ配信で動く人数が減る

続けて、同じモデルで売上への影響を見ます。到達者の2%が来店し、客単価3,000円と仮定します。

ブロック率到達人数来店(2%)売上
20%8,000人160人480,000円
30%7,000人140人420,000円
40%6,000人120人360,000円

ブロック率が20ポイント上がるだけで、同じ配信・同じ手間で売上が12万円下がる計算になります(あくまで自社で置いた仮定に基づく試算です)。

損失③ 配信単価に対する効率が下がる

そしてここが、2026年に入ってからとくに重くなった論点です。

2026年10月1日から、LINE公式アカウントの追加メッセージ料金が改定されます。 これまでの多段階の従量課金(配信量が増えるほど単価が下がる仕組み)が、「20万通まで3.0円/20万通超は2.5円」の2段階に整理されます。

つまり、5万通〜20万通の帯で効いていたボリュームディスカウントがなくなります。 この帯で運用している事業者にとっては実質的な値上げです。

ここでブロック率の話とつながります。

 ブロック率が低いブロック率が高い
配信1通の単価同じ同じ
1通あたりの到達価値高い低い
獲得コストの回収進む止まる

1通あたりの単価が下がりにくくなった以上、「その1通が誰に届いているか」の重みが以前より増しています。 関係のない人に配信し続けることは、コストを払ってブロック率を上げているのと同じです。

損失④(おまけ)効果測定が歪む

もう一つ、地味ですが実務で困るのがこれです。

ブロックした人は分母に残り続けるため、「配信到達に対する反応率」を正しく追えなくなります。 反応が落ちているのが「内容が悪いから」なのか「そもそも届いていないから」なのかが区別できません。

数値の見方については数字で次の一手を決める|Lメンバーズカードの分析ダッシュボード読み解きガイドもあわせてご覧ください。


5. ブロック率を下げる6つの打ち手

ここからが実務です。効果の大きい順に6つ挙げます。

打ち手1:あいさつメッセージを「引き止め」の設計にする

最大の離脱ポイントである「追加直後」に効く、唯一の打ち手です。詳しくは次章で扱います。

打ち手2:全員配信をやめ、条件で絞る

前章のとおりです。まずは「最終来店日」「会員ランク」「購入カテゴリ」の3つだけでも分ければ、関係のない配信は大きく減らせます。

配信内容送るべき相手送ってはいけない相手
再来店クーポン3ヶ月以上来店がない層先週来店したばかりの人
新メニュー案内該当カテゴリの利用者一度も使っていない人
上位ランク限定特典該当ランクのみ対象外のランク

「3ヶ月以上来ていない人だけに送る」といった設計は、【LINEミニアプリ活用】最近来店がないお客様(休眠顧客)に刺さるクーポンを発行する方法が参考になります。

打ち手3:一斉配信を「自動メッセージ」に置き換える

誕生日、来店から◯日後、ポイント失効の◯日前。こうした個人のタイミングに合わせた配信は、受け取る側から見れば必ず「自分ゴト」です。

一斉配信を1回減らして自動メッセージに置き換えるだけで、通数も減り、ブロックの引き金も減ります。トリガーの種類は“あと一通”で再来店を生む|LINE自動メッセージ11トリガー完全ガイドにまとめています。

打ち手4:常設情報はリッチメニューに逃がす

「押し出したい情報」と「いつでも見られる情報」を分ける、という考え方です。

情報の性質置き場所通知
期限のあるセール・緊急連絡メッセージ配信鳴る
営業時間・メニュー・常設クーポンリッチメニュー鳴らない

リッチメニューの更新は通知を発生させません。つまりブロックの引き金を引かずに情報を届けられます。 会員ランクごとに出し分ける方法は【会員ランク毎にリッチメニューを変更可能に】セグメントリッチメニューのメリットと使い方で解説しています。

打ち手5:会員証で「見に来る」状態をつくる

もっとも本質的な打ち手です。

配信は「こちらから押し出す」行為なので、必ずブロックのリスクを伴います。一方、お客様が自分から開きに来る仕組みがあれば、通知ゼロで接点が生まれます。

デジタル会員証を持つと、お客様は次のような理由で自発的にアプリを開きます。

  • ポイント残高を確認したい
  • スタンプがあと何個で特典かを見たい
  • 回数券の残数を確認したい
  • 会計時に会員証バーコードを提示する必要がある

「送らないと思い出してもらえない」状態から、「向こうから開いてくれる」状態へ。 これが実現すると、配信回数を減らしてもコミュニケーション量は落ちません。考え方は「デジタル会員証」とは?LINEミニアプリで導入するメリット・事例を解説で整理しています。

打ち手6:非アクティブ層の扱いを決める

半年以上、来店もクリックもない層に配信を続けても、コストがかかるだけでブロック率も改善しません。

ステップ操作内容
1過去6ヶ月、来店・クリックがない層を抽出する
2復活を狙った配信を1回だけ打つ
3反応がなければ、以降の定期配信の対象から外す

ポイント: 非アクティブ層を外すのは「切り捨て」ではありません。残った層の反応率を正しく測れるようにするための整理です。分母がきれいになると、次の改善判断の精度が上がります。


6. 友だち追加直後の離脱を防ぐ「あいさつメッセージ」の設計

ブロックが最も多いのは追加直後です。したがって、あいさつメッセージの1通が、ブロック率にもっとも大きく効きます。

やりがちな失敗

多くのアカウントのあいさつメッセージは、こうなっています。

「友だち追加ありがとうございます!お得な情報をお届けします。ぜひクーポンをご利用ください。」

これは「今後も宣伝が来ます」という予告にしかなっていません。クーポンを使った時点で、残す理由が消えます。

入れるべき4つの要素

要素目的具体例
① 何が届くかの明示期待値を合わせる「新メニューと限定クーポンを月2回お届けします」
② 配信頻度の明示通知への心構えを作る「配信は月2回程度です」
③ クーポン以外の価値残す理由を渡す「会員証でポイントが貯まります」
④ 次の行動の提示すぐ触ってもらう「まずは会員登録でスタンプ1個進呈」

とくに③と④が決定的です。「クーポンをもらう場所」ではなく「自分の記録が貯まっている場所」になった瞬間、消す理由がなくなります。

期待値を先に伝えるほど、ブロックは減る

一見すると「配信は月2回です」と正直に書けば警戒されそうに思えます。実務では逆です。

人がブロックするのは「聞いていない通知が来た」と感じたときです。 先に頻度を伝えておけば、その頻度は「約束どおり」になります。約束どおりの通知は、不快になりません。

ポイント: あいさつメッセージは「一番読まれるメッセージ」です。追加直後は必ず開かれます。ここを使い回しのテンプレートのまま放置しているなら、今日いちばん改善効果が大きい場所です。

追加経路ごとに出し分ける

もう一段踏み込むなら、どこから追加されたかで内容を変える方法があります。

  • 店頭POPから追加した人 → 会員証とポイントの説明を厚く
  • Web広告から追加した人 → まずサービス紹介と初回特典
  • イベント会場で追加した人 → そのイベントに紐づく案内

流入元ごとの計測と出し分けはどのチラシ・QRから登録された?|登録タグで”流入元別ROI”を可視化し、自動でランク付けする方法で解説しています。


7. 配信設計チェックリスト(10項目)

最後に、そのまま運用に落とせるチェックリストです。月1回、配信計画を立てるときに上から確認してください。

#チェック項目できていない場合の打ち手
1ブロック率を毎月記録し、前月比で見ているか分析→友だちから月初に転記する運用を作る
2直近30日の「友だち追加数」と「ブロック数」を並べて見ているか追加が多い月ほど直後離脱が増える前提で見る
3あいさつメッセージに配信頻度が書かれているか「月◯回程度」と明記する
4あいさつメッセージにクーポン以外の価値があるか会員証・ポイント・スタンプの説明を追加する
5直近の配信は「全員配信」ではなかったか最終来店日か会員ランクで最低1段階は絞る
6その配信内容は、受け取る全員に関係があるか関係のない層が3割を超えるなら分割配信にする
7一斉配信のうち、自動メッセージに置き換えられるものはないか誕生日・来店後フォロー・失効前通知から着手する
8常設情報をメッセージで送っていないかリッチメニューへ移す
9半年以上反応のない層を配信対象に含めていないか復活配信を1回打ち、以降は対象外にする
10配信以外に「お客様が自分から開く理由」があるかデジタル会員証・ポイント残高・スタンプで動機を作る

ポイント: 10項目すべてを一度にやる必要はありません。3・4(あいさつメッセージ)と5・6(絞り込み)の4つだけでも、多くのアカウントでブロック率の推移は変わります。


8. よくある質問

Q. 配信頻度は結局、何回が適切ですか?

A. 一律の正解はありません。実務上の目安として、「月2〜4回」から始めて、ブロック率の推移を見ながら調整するのが扱いやすい進め方です。重要なのは回数そのものより、あいさつメッセージで伝えた頻度と実際の頻度を一致させることです。「月2回」と伝えて月8回送れば、回数の多さ以上に「約束が違う」という理由でブロックされます。

Q. ブロックした人を配信対象から外すことはできますか?

A. ブロックされた時点で、そのユーザーにメッセージは届かなくなります。配信通数としてもカウントされません。ただし友だち追加数の累計からは減らないため、ブロック率の分母には残り続けます。 「ブロック率が下がらない」と感じる原因の多くはこれで、新規追加が伸びないと構造的に改善しにくくなります。

Q. ブロック率が高いアカウントは、まず何から手を付けるべきですか?

A. あいさつメッセージの書き直しからです。追加直後の離脱が最も多く、しかも設定は1回で終わります。配信設計の見直しは運用の慣らしに時間がかかりますが、あいさつメッセージは今日変えれば明日の追加分から効きます。

Q. 友だちを増やすキャンペーンをすると、ブロック率は必ず上がりますか?

A. 分母(友だち追加数)が急に増えるため、一時的に数字が動くのは自然です。問題は、そこで集めた人に「クーポン以外の残る理由」を渡せているかどうかです。渡せていなければ、キャンペーンのたびにブロック率が積み上がります。キャンペーンは「集める設計」と「残す設計」をセットで用意してください。


9. まとめ

  • ブロック率は「ブロック数 ÷ 友だち追加数」。LINE Official Account Manager の「分析」→「友だち」で確認でき、他社平均より自社の前月比を見るべき
  • ブロックは4つのタイミングで起きるが、最も多いのは友だち追加の直後。ここは配信頻度を下げても改善しない
  • 効くのは頻度の調整ではなく「関係のない配信をなくすこと」。セグメント配信・自動メッセージ・リッチメニュー・会員証による「見に来る」状態づくりが本筋

2026年10月の料金改定でボリュームディスカウントが縮小した以上、「1通が誰に届いているか」の設計は、これまで以上に経営に直結します。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断については、必ず専門家や公式の最新情報をご確認ください。