LINE社は2022年10月31日、企業や店舗がアカウントを運用できる「LINE公式アカウント」の利用料金を2023年6月に改定すると発表しました。
「無料・月額5,000円・月額15,000円」というプラン料金自体は変わりませんが、プランごとに送信できるメッセージ数が大幅に減ることになり、不安に感じている方も多いかと思います。
そこで今回の記事では、
- LINE公式アカウントの現行プランと新プランの違い
- LINE公式アカウントの料金プラン改定でどのような影響があるのか
- 今からできる値上げ対策
について、それぞれ詳しく解説していきます。
また、LINEメッセージ通数を節約する方法についても解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事の目次
LINE公式アカウント利用料金値上げの概要と背景
LINE公式アカウントには、「企業や店舗」と「ユーザー」の双方向のコミュニケーションサービスを目指すという目標があります。
しかし、現状はメッセージの一斉配信による一方的なコミュニケーションが多くなっているということで、2022年10月31日にLINE社が『2023年6月にLINE公式アカウントの料金プランを改定する』旨の発表を行いました。
それでは、LINE公式アカウントの現行の料金プランと、2023年6月以降の新料金プランの内容を確認していきます。
LINE公式アカウント 現行の料金プラン
LINE公式アカウントの現行の料金プランは、上記画像の通り。
続いて、2023年6月以降の新料金プランを見ていきましょう。
LINE公式アカウント 2023年6月以降の新料金プラン
2023年6月からの新料金プランでは、主に次のような変更があります。
- 各プランの「無料メッセージ通数」の変更(大幅に減少)
- フリープランの名称が「コミュニケーションプラン」に変更
- ライトプランの「追加メッセージ」購入ができなくなる
- プラン変更の「日割り適用」が廃止
プラン料金は変わらないが、「無料メッセージ通数」が大幅減少
プラン料金自体は2023年6月改定後も、0円、月額5,000円、年額15,000円と変わらず、利用できる機能も変わりません。しかし、今回の値上げで最も話題になっているのが「無料メッセージ通数」の大幅減少です。
プランごとに1カ月に送信できるメッセージ通数が、以下のように変化します。
プラン | 現行プラン | 2023年6月以降 |
---|---|---|
0円プラン | 1,000通 | 200通(-800通) |
月額5,000円プラン | 15,000通 | 5,000通(-10,000通) |
月額15,000円プラン | 45,000通 | 30,000通(15,000通) |
追加メッセージ購入は「スタンダードプラン」のみ
さらに、これまで月額5,000円の「ライトプラン」では1通5円で追加のメッセージ通数を購入できましたが、2023年6月以降は1カ月あたり5,000通を超えるメッセージの追加送信ができなくなります。
LINE友だち数が1,000名を超えるLINE公式アカウントの多くにとっては、何らかの悪影響が出てくるでしょう。
月額15,000円の「スタンダードプラン」では、現行と変わらず「1通3円」で追加メッセージを購入できます。
月中のプラン変更による日割り適用の廃止
続いては、月中に無料プランから有料プランに変更する場合の変更です。
月中に0円プランから「月5,000円のライトプラン」「月15,000円のスタンダードプラン」に変更する場合、現行では「料金とメッセージ通数」が月末までの日割り計算でした。
しかし、2023年6月の改定後は変更タイミングにかかわらず、月額費満額の請求となり、無料メッセージも全数付与となります。
この変更は初月だけのおはなしなので、そこまで大きな影響はありません。
課金対象になるメッセージの種類
尚、「無料メッセージ通数」としてカウントされる課金対象のメッセージと、課金対象にはならず無制限に送れるメッセージの種類をご紹介します。
「月額メッセージ数」にカウントされる課金対象のメッセージ
LINE公式アカウントの課金対象となるメッセージは次の通りです。
- メッセージ配信
- 絞り込み配信
- ステップ配信
- Messaging API「Push API」「Multicast API」「BroadcastAPI」「Narrowcast API」
課金対象にならず無制限に送信できるメッセージ
料金プランの課金対象にならず無制限に送信できるメッセージは次の通りです。
- LINEチャットの送信
- 応答メッセージ
- AI応答メッセージ
- あいさつメッセージ
- Messaging API「Reply API」
LINE公式アカウント 各料金プランの新旧比較
続いて、LINE公式アカウントの各料金プランについて、新旧比較をしていきます。
LINE公式アカウント フリープラン(改定後コミュニケーションプラン)
LINE公式アカウントの月額0円プラン「フリープラン」における新旧変更は次の通りです。
- 名称の変更:コミュニケーションプラン
- 月額費用:変更なし(0円)
- 無料メッセージ通数:1,000通→200通(-800通)
- 月中で有料プランに変更するときの料金日割り適用の廃止
LINE公式アカウント ライトプラン
LINE公式アカウントの月額5,000円プラン「ライトプラン」では、次のような変更があります。
- 月額費用:変更なし(税抜5,000円)
- 無料メッセージ通数:15,000通→5,000通(-10,000通)
- 月中に料金プランをアップグレードした場合、差額(+10,000円)を支払い後、月中から適用
LINE公式アカウント スタンダードプラン
LINE公式アカウントの月額15,000円プラン「スタンダードプラン」では、次のような変更があります。
- 月額費用:変更なし(税抜15,000円)
- 無料メッセージ通数:45,000通→30,000通(-15,000通)
【今からできる】LINE公式アカウント利用料金値上げの対策
ここからは、LINE公式アカウントの利用料金実質値上げに向けて、今からできる対策をご紹介していきます。
メッセージ通数を節約するのが最短ルート!送信対象を「友だち全体」から「ターゲットユーザー」へ
結論から申し上げると、LINE公式アカウントで送信するメッセージ通数を節約するのが最短ルートです。
簡易的にメッセージ通数を節約するなら「LINE公式アカウントの機能」を活用するのがおすすめですが、本格的にコストパフォーマンスを考えるなら「LINE連携ツール」を活用するのがおすすめ。
それぞれについて解説していきます。
LINE公式アカウントの機能を活用する
LINE公式アカウントの基本機能として、メッセージ配信時に「配信先」を指定することができます。デフォルトでは『すべての友だち』が設定されており、LINE友だち追加済みのユーザー全員にメッセージが配信されます。
しかし、メッセージ通数を節約するには『絞り込み』を活用しましょう。
絞り込みに使用できるのは「オーディエンス」「属性で絞り込み」の2種類です。
絞り込み設定は「絞り込み後の友だちが50人以上」いないと配信できないので注意してください。
オーディエンス
「オーディエンス」を利用することで、メッセージ配信を詳細なターゲティングで行えます。
作成できるオーディエンスタイプは以下の通りです。
オーディエンスタイプ | 内容 |
---|---|
ユーザーIDアップロード | TXT、CSV形式のファイルでユーザーIDをアップロードして作成するオーディエンス |
クリックリターゲティング | 過去に配信したメッセージに含まれるリンクをクリックしたユーザーを対象にしたオーディエンス※配信に利用するには、オーディエンスのサイズが50以上必要です |
インプレッションリターゲティング | 過去に配信したメッセージを開封したユーザーを対象にしたオーディエンス※配信に利用するには、オーディエンスのサイズが50以上必要です |
チャットタグオーディエンス | チャットに付けたタグを対象にしたオーディエンス※チャットでユーザーへのタグ付けが必要です。設定方法はチャットのマニュアルをご確認ください。 |
追加経路オーディエンス | 特定の経路で友だち追加したユーザーを対象にしたオーディエンス※経路のデータは[分析]>[友だち]>[追加経路]から確認できます※「その他」の経路は対象外です※配信に利用するには、オーディエンスのサイズが50以上必要です |
ウェブトラフィックオーディエンス | LINE Tagのトラッキング情報を基にしたオーディエンス※LINE tagの利用を開始するとオーディエンスが作成可能になります※配信に利用するには、オーディエンスのサイズが50以上必要です |
予約オーディエンス | LINEで予約経由で予約したユーザーを対象としたオーディエンス※配信に利用するには、連携済の予約データが必要です※性別、年代などと掛け合わせる絞り込み配信には、選択後の推計対象ユーザーが50人以上必要です |
このように、オーディエンスは便利ですが、少し活用するのにコツがいるというデメリットがあります。
オーディエンスは[データ管理]>[オーディエンス]から作成可能です。
属性で絞り込み
「属性で絞り込み」では、様々なユーザー情報をもとに送信対象を絞り込むことができます。『男性向けのキャンペーン』『地域ごとの新着情報』など、基本的な絞り込みが簡単に実現できるので、ぜひ活用してみてください。
- 友だち期間
- 性別
- 年齢
- OS
- 地域
高度な絞り込みはLINE連携ツールがおすすめ
より高度な絞り込みを行い、最適なセグメント配信をしていくには「LINE連携ツール」の活用がおすすめです。
例えば『過去30日間に来店したユーザー』『お店のクーポンを過去に利用したユーザー』など、LINEメッセージ通数を節約するには具体的な絞り込みが必要になってきます。
弊社が提供する「Lメンバーズカード」では、LINE友だちのユーザー情報だけでなく、レジ情報などと連携した「絞り込み」が、わかりやすい管理画面上で実現します。
月額9,800円で利用でき、友だち数による追加課金などもありません。
「応答メッセージ」や「AI応答メッセージ」などの課金対象にならないメッセージを活用する
また、余計なメッセージ送信をしないために、料金プランの課金対象にならない「応答メッセージ」や「AI応答メッセージ」を活用することも重要です。
LINE公式アカウントの機能を活用する
LINE公式アカウントでは、友だちからチャットで話しかけられた際の返信対応を自動化する「応答メッセージ」や「AI応答メッセージ」機能が利用できます。
電話対応や問い合わせ対応の自動化・効率化にもつながるため、できるだけ早く活用することをおすすめします。
LINE連携ツールを活用する
また、LINE連携ツールである「Lメンバーズカード」では、さらに高度な応答メッセージを設定することが可能です。
「診断BOT」コンテンツの作成
「診断BOT」とは、ユーザーの特徴にあわせて自動的に最適なメッセージを送信する機能のこと。
例えば、化粧品メーカーで『ユーザーそれぞれの肌診断を行って、おすすめの化粧水の提案』することが可能です。
診断BOTコンテンツについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。
よくある質問や問い合わせフォームの設置
LINEリッチメニュー上で「よくある質問」や「問い合わせフォーム」を設置すれば、メッセージ通数を消費せずにスムーズな対応ができます。
また、問い合わせがあったユーザーを「タグ付け」しておくことで、次回のセグメント配信に活かすことも可能です。
ターゲットユーザーを絞り込むための具体的な方法
最後に、LINE友だち追加済みのユーザーを絞り込むための具体的な方法についてご紹介します。
「クーポン」「入退室ログ」「購買履歴」「ユーザー情報」をフルに使いこなす
LINE連携ツール「Lメンバーズカード」では、追加料金なしで使える豊富な機能を使って、LINE上で様々なサービスを展開できます。
- クーポン、デジタル回数券
- 会員ランク
- イベント予約、会議室予約
- サブスク運用
- レジ情報と連携した購買履歴の活用、など
また、上記の利用履歴をすべて「絞り込み条件」として使えるため、ユーザーがサービスを利用すればするほどデータが蓄積されます。
顧客に「ハッシュタグ」をつけて管理する
もう一つ有効なのが、顧客に「タグ付け」をして管理していく方法です。
例えば『接客対応スタッフ』『来店回数』といった店舗運営に関するタグ付けから、『食品アレルギー』『お子様の有無』『希望の接客対応』といったカルテ的な顧客管理まで、LINEと紐づけて行うことも可能です。
LINEユーザーの「タグ付け」を顧客管理に導入する方法については、以下の記事をご覧ください。
>> 顧客の「タグ付け」に関する記事はこちら
ユーザーのターゲティングは「長期的な目線」で準備するのが重要
LINE公式アカウントの基本機能として使える「絞り込み」でも基本的なセグメント配信を実施することが可能ですが、より効果的なセグメント配信を行うには、長期的な目線でデータを蓄積しておくことが有効です。
2023年6月のLINE公式アカウントの実質値上げに対応できるよう、はやめにLINE活用ツールを導入しておくのがおすすめです。
まとめ:LINE公式アカウントの値上げ対策には「セグメント配信」が有効
今回は、LINE公式アカウントの料金プラン値上げの概要と、具体的な対策についてご紹介しましたがいかがでしたか?
LINE公式アカウントの値上げは企業や店舗にとってデメリットも大きいですが、早めに準備しておくことでコスト削減だけでなく、より効果的なSNS活用につなげることも可能です。
「コストを抑えたLINE活用」や「ビッグデータ×LINEを掛け合わせた運用」などにご興味がある方は、お気軽に以下のボタンからお問い合わせください。
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