サロンのカルテは、書き方さえ決まっていれば1人あたり30秒で書けます。逆に、項目が決まっていないカルテは何分かけても書き終わりません。
多くのサロンで「カルテを続けよう」という取り組みが途中で止まるのは、スタッフのやる気の問題ではありません。書く項目が多すぎる/書く場所と見る場所が違う/書いても次に活かされないという、仕組み側の3つの原因がほとんどです。
そして、カルテが機能していないサロンには共通の症状があります。「あの人の担当じゃないと困る」という状態です。指名スタッフが休むと予約が受けられない、退職すると顧客ごといなくなる。これは属人化ではなく、記録の不在が引き起こしている経営リスクです。
この記事では、そのまま使えるカルテ項目テンプレートを業種別に5パターン用意しました。コピーして、自店に合わない行を削るだけで運用を始められます。
この記事でわかること
- カルテが「書かれなくなる」構造的な3つの理由と、その潰し方
- 業種別(美容室・エステ・ネイル・まつげ・整体)のカルテ項目テンプレート
- 次回の提案につながるカルテにするための、書き方のコツ7つ
- 個人情報として気をつけるべき点と、紙から電子化するときの進め方
この記事の目次
1. カルテが続かない3つの理由
まず、なぜカルテが続かないのかを整理します。原因が分かれば、テンプレートの作り方も自然に決まります。
理由①:項目が多すぎる
意気込んで作ったカルテほど、項目が多くなります。「あれも記録しておこう」「これも聞いておこう」と足していった結果、A4びっしりの記入欄ができあがります。
しかし現場では、施術が終わって次のお客様が待っています。書く時間は現実には30秒から1分程度しかありません。そこに5分かかる用紙を置けば、書かれなくなるのは当然です。
「全部埋めなきゃと思うと、そもそも書き始められない」
これはよく聞く声です。カルテは全項目を毎回埋めるものではなく、変化があったところだけ更新するもの。そう設計されていない用紙は、心理的なハードルが高すぎます。
理由②:書く場所と見る場所が違う
紙のカルテをバックヤードのファイルに綴じている場合、施術中に見返すことができません。結果として、書くのは施術後、見るのは……見ないままという運用になります。
見返されない記録は、書き手にとって「意味のない作業」に見えます。書く場所と見る場所が離れているほど、カルテは形骸化します。
理由③:書いても次に活かされない
3つ目が最も根深い問題です。カルテに「次回はトリートメントを提案」と書いても、次回の予約時にその1行が誰の目にも入らなければ、書いた意味はありません。
カルテが続くサロンは例外なく、来店時にカルテを開く習慣がセットになっています。書く仕組みだけを作っても続かず、読む仕組みとセットにして初めて回り始めます。
| 続かない理由 | 起きていること | 打ち手 |
|---|---|---|
| 項目が多すぎる | 書く前に諦める | 必須項目を10個以内に絞る |
| 書く場所と見る場所が違う | 見返されない | 予約・接客の画面と同じ場所に置く |
| 次に活かされない | 書く意味を感じない | 来店時にカルテを開く運用を決める |
2. 良いカルテの条件は「30秒で書けて5秒で読める」
カルテの良し悪しを判断する基準は、実はとてもシンプルです。
ポイント: 良いカルテの条件は「30秒で書けて、次の来店時に5秒で読める」こと。この2つを満たさない項目は、思い切って削ってよい項目です。
「30秒で書ける」ための設計
30秒で書き終えるには、自由記述を減らし、選択式と短文を増やすのが基本です。
- 選べるものは選択式にする(例:髪質=硬い/普通/柔らかい)
- 数値で書けるものは数値にする(例:カラー剤の配合、施術時間、まつげのカール・太さ)
- 自由記述は「お客様の言葉」「次回への申し送り」の2欄に絞る
すべてを文章で書こうとすると、どうしても時間がかかります。文章で書くべきなのは、選択肢に落とし込めない情報だけです。
「5秒で読める」ための設計
次回の来店時、スタッフがカルテを開いて確認できる時間も同じく数秒です。ここで重要なのが情報の並び順です。
| 読む順番 | 見たい情報 | 目的 |
|---|---|---|
| 1番目 | 前回の施術内容 | 同じ仕上がりを再現する/変化をつける判断 |
| 2番目 | 前回の申し送り | 今日の提案を決める |
| 3番目 | NG・注意事項 | 事故やクレームを防ぐ |
| 4番目 | 基本情報・過去履歴 | 必要なときだけ遡る |
紙のカルテだと記入欄の位置は固定されますが、「前回分が一番上に来る」ように書き足していくだけでも読みやすさは大きく変わります。古い記録の下に新しい記録を追記していく形式は、読む側の負担が積み重なっていきます。
3. カルテの基本4ブロック
業種が違っても、カルテの骨格は共通です。次の4ブロックで考えると、項目の抜け漏れがなくなります。
ブロック1:基本情報(初回のみ/変更時のみ更新)
氏名、連絡先、生年月日、来店きっかけ、アレルギーや既往、担当スタッフなど。毎回書くものではなく、変わったときだけ更新するブロックです。
ブロック2:施術内容(毎回・事実のみ)
その日に何をしたかの記録です。使用した薬剤・商材、時間、工程、料金メニュー。再現性のために書くブロックなので、感想は入れず事実だけを残します。
ブロック3:お客様の状態・要望(毎回・お客様の言葉)
肌や髪の状態、その日の要望、会話で出た話題。ここはお客様が言った言葉をそのまま残すのがコツです。要約すると、次回読んだときにニュアンスが失われます。
ブロック4:次回への申し送り(毎回・1行でよい)
次回に提案したいこと、様子を見たいこと、避けるべきこと。このブロックがカルテの価値の8割と言っても言い過ぎではありません。
| ブロック | 更新頻度 | 書く内容 | 目安の記入時間 |
|---|---|---|---|
| 1. 基本情報 | 初回+変更時 | 属性・連絡先・注意事項 | 初回のみ3分 |
| 2. 施術内容 | 毎回 | 事実(薬剤・工程・時間) | 15秒 |
| 3. 状態・要望 | 毎回 | お客様の言葉 | 10秒 |
| 4. 次回申し送り | 毎回 | 提案・注意を1行 | 5秒 |
ポイント: ブロック2〜4だけなら合計30秒。この配分が現実的な運用ラインです。ブロック1を毎回書き直す設計にすると、たちまち破綻します。
4. 【業種別】そのまま使えるカルテ項目テンプレート(5業種)
ここからは実際の項目例です。そのままコピーして、不要な行を削ってお使いください。選択式の項目は / で候補を並べています。
💇 美容室・ヘアサロン
【基本情報】※初回のみ
氏名/ふりがな:
連絡先:
生年月日:
来店きっかけ:紹介/SNS/検索/通りがかり/その他
髪質:硬い・普通・柔らかい / 太い・普通・細い / 直毛・くせ毛
毛量:多い・普通・少ない
頭皮の状態:普通/乾燥/脂性/敏感
アレルギー・しみやすさ:(ジアミン等の申告があれば必ず記録)
NG:(前髪は切らない/短くしすぎない 等)
【施術内容】※毎回
日付/担当:
メニュー:カット/カラー/パーマ/トリートメント/ヘッドスパ
カラー処方:(剤名・番号・配合比・オキシ・放置時間)
パーマ処方:(薬剤・ロッド・時間)
カット:長さ/レイヤー/すき具合
仕上がり写真:あり/なし
所要時間: 分 / 料金: 円
【状態・要望】※毎回
今日の要望(お客様の言葉のまま):
仕上がりの反応:
会話メモ:(仕事・イベント・次回予定など)
物販:提案した/購入あり(商品名)
【次回申し送り】※毎回・1行
次回提案:(例)根元3cm伸びるので6週後にリタッチ提案
✨ エステ・フェイシャル
【基本情報】※初回のみ
氏名/連絡先/生年月日:
お悩み:乾燥/毛穴/くすみ/ハリ/むくみ/その他
肌タイプ:普通/乾燥/脂性/混合/敏感
アレルギー・肌トラブルの申告:
使用中の化粧品:
生活習慣メモ:睡眠/飲酒/喫煙/運動
NG:(強い圧が苦手/特定の香りが苦手 等)
【施術内容】※毎回
日付/担当:
コース名:
使用商材:(クレンジング/化粧品/美容液)
機器:使用あり(機器名・出力・時間)/なし
手技:(部位・圧の強さ 弱・中・強)
所要時間: 分 / 料金: 円
【状態・要望】※毎回
当日の肌状態(見たままの事実):
お客様の申告(言葉のまま):
施術中の反応:(心地よさ・刺激の有無)
施術後の見た目の変化:
【次回申し送り】※毎回・1行
次回提案:(例)乾燥の訴えが続くため保湿コース中心に。圧は弱めで。
ポイント: エステサロンの施術は医療行為ではありません。カルテにも「治る」「改善する」「診断」といった医療を思わせる表現は書かないのが安全です。記録は事実(見た目の状態・お客様の申告)にとどめ、判断や効果の断定を書かないようにしてください。肌トラブルや体調の異変があった場合は、施術で対応しようとせず医療機関の受診を案内する運用にしておきましょう。
💅 ネイルサロン
【基本情報】※初回のみ
氏名/連絡先:
爪の状態:健康/薄い/二枚爪/深爪/噛み癖
自爪の長さ・形:
アレルギー(アクリル・ジェル等の申告):
職業上の制限:(長さNG/派手色NG 等)
【施術内容】※毎回
日付/担当:
メニュー:ワンカラー/グラデ/アート/フット/オフのみ
使用カラー:(ブランド・品番) 例:○○ #123
ベース/トップ:(品名)
アート内容:(ストーン・パーツ・デザイン)
長さ・形:ラウンド/オーバル/スクエア/アーモンド
持ち(前回分の評価):良好/浮きあり(部位)/欠けあり
所要時間: 分 / 料金: 円
【状態・要望】※毎回
要望(言葉のまま):
デザイン写真:あり/なし
イベント予定:(結婚式・旅行・仕事の都合など)
【次回申し送り】※毎回・1行
次回提案:(例)3〜4週で来店推奨。前回小指が浮いたのでベース変更を試す。
👁 まつげエクステ
【基本情報】※初回のみ
氏名/連絡先:
自まつげの状態:本数(多・普通・少)/長さ/強度/生えぐせ
目の形・まぶた:奥二重/二重/一重/たれ目/つり目
アレルギー・目のトラブル申告:(グルーの申告は必ず記録)
コンタクト:あり/なし
NG:(濃すぎるのは避けたい/職場規定 等)
【施術内容】※毎回
日付/担当:
メニュー:シングル/ボリューム/パーマ/リペア/オフ
本数:右 本/左 本
カール:J/C/D 太さ:0.10/0.12/0.15
長さ配置:(目頭〜目尻の長さの並び)
グルー:(品名)
所要時間: 分 / 料金: 円
【状態・要望】※毎回
持ち(前回からの残り本数の体感):
要望(言葉のまま):
施術中の反応:(しみる・痛みの有無)
【次回申し送り】※毎回・1行
次回提案:(例)3週でリペア案内。目尻をもう1mm長くしたいとの希望あり。
🤲 整体・リラクゼーション
【基本情報】※初回のみ
氏名/連絡先/生年月日:
主訴(お客様の言葉のまま):
お仕事・姿勢の傾向:デスクワーク/立ち仕事/運転/力仕事
運動習慣:
既往・通院の申告:※本人の同意を得て記録
NG:(強圧NG/特定部位に触れない 等)
【施術内容】※毎回
日付/担当:
コース:全身/上半身/下半身/部分(部位)
施術部位と時間配分:
圧の強さ:弱/中/強(部位ごとに)
使用したもの:オイル/ホットパック/ストレッチ
所要時間: 分 / 料金: 円
【状態・要望】※毎回
当日の申告(言葉のまま):
施術前の可動域・張りの状態(事実として):
施術後の反応:
セルフケア案内:(伝えた内容)
【次回申し送り】※毎回・1行
次回提案:(例)左肩の訴えが継続。2週間隔を提案。強圧は避ける。
ポイント: リラクゼーションや整体は医療行為ではありません。カルテにも症状名や病名を断定的に書くのは避け、「お客様が◯◯と話していた」という事実の記録にとどめます。痛みが強い場合や体調の異変がある場合は、医療機関の受診をご案内ください。
5. 書き方のコツ7つ|次回の提案につながるカルテにする
テンプレートが用意できたら、次は書き方です。同じ項目でも、書き方次第で価値が大きく変わります。
コツ1:主観と事実を分ける
「肌が荒れていた」は主観、「頬の右側に赤みあり」は事実です。事実を書いておけば、次のスタッフが自分で判断できます。
主観だけを書くと、書いた本人以外には解釈できない記録になります。これが「あの人の担当じゃないと困る」の正体です。
コツ2:お客様の言葉をそのまま残す
「もう少しだけ軽くしたい」を「軽さ希望」と要約すると、「もう少しだけ」というニュアンスが消えます。カギカッコでそのまま残しましょう。
お客様の言い回しは、その方の好みそのものです。要約は情報の劣化だと考えてください。
コツ3:NGワードを書き留める
「前髪は切らない」「肩より短くしない」「強い圧は苦手」。こうしたやってはいけないことは、良かったことより優先して記録します。
クレームのほとんどは、NGの共有漏れから起きます。NG欄はカルテの中で最も目立つ位置に置いてください。
コツ4:次回提案を必ず1行入れる
書く時間はわずか5秒。しかしこの1行があるかないかで、次回の接客の質が変わります。
「6週後にリタッチ提案」「乾燥の訴えが続くので保湿中心」。具体的であるほど、次のスタッフはそのまま使えます。
コツ5:数値と固有名詞で書く
「短めにカット」より「肩上3cm」、「いつもの薬剤」より「品番まで」。再現性は数値と固有名詞から生まれます。
コツ6:会話メモを1行だけ残す
仕事、家族、旅行の予定。次回「その後どうでしたか」と一言添えられるだけで、お客様の印象は変わります。ただし書きすぎないこと。1行で十分です。
コツ7:施術直後に書く
記憶は驚くほど早く薄れます。閉店後にまとめて書くと、必ず内容が薄くなります。 お会計の待ち時間や次の準備の合間に、その場で書く運用にしてください。
| コツ | 悪い例 | 良い例 |
|---|---|---|
| 事実で書く | 肌が荒れていた | 頬の右側に赤み、本人申告なし |
| 言葉を残す | 軽さ希望 | 「もう少しだけ軽くしたい」 |
| 数値で書く | 短めにカット | 肩上3cm、レイヤー高め |
| 提案を書く | (空欄) | 6週後にリタッチ提案 |
6. 個人情報の取り扱いで注意すべきこと
カルテはお客様の個人情報そのものです。ここは軽く扱ってよい部分ではありません。
現在の個人情報保護法では、取り扱う個人情報の件数にかかわらず、すべての事業者が適用対象です。かつて存在した「5,000人以下は対象外」という要件はすでに撤廃されています。個人サロンだから関係ない、ということはありません。
押さえておきたい4つの基本
| 項目 | やるべきこと |
|---|---|
| 利用目的の特定・明示 | 「予約管理・施術・アフターフォローに利用します」など、具体的に伝える |
| 安全管理措置 | 紙は施錠できる棚に保管。データはアクセス権限を設定する |
| 持ち出しの禁止 | 自宅への持ち帰り、私物スマホでの写真撮影を禁止する |
| 共有範囲の明確化 | 誰がどこまで見てよいかをルール化する |
健康状態などの機微な情報は特に慎重に
個人情報保護法では、病歴や、医師等による健康診断の結果・それに基づく指導や診療を受けた事実などは「要配慮個人情報」と位置づけられ、通常の個人情報より厳格に扱うことが求められます。要配慮個人情報は、原則としてあらかじめ本人の同意を得ないまま取得してはならないとされています。
サロンのカルテでは、既往歴やアレルギー、通院の有無を伺う場面があります。これらを記録する場合は、
- 何のために聞くのか(安全な施術のため、という利用目的)を伝える
- 同意書やカウンセリングシートで書面またはデジタルで同意を得る
- 記録した情報にアクセスできる範囲を絞る
という手順を踏んでおくのが安全です。
ポイント: 肌の写真やビフォーアフター画像も個人情報にあたります。SNS掲載を想定するなら、掲載範囲(顔の有無・媒体・期間)を明示した同意を別途取得してください。「撮影の同意」と「掲載の同意」は別物です。
保存期間はどう決めるか
美容室やエステのカルテには、法律で定められた保存期間はありません。実務上は5〜7年程度を目安にしている店舗が多いと言われますが、業種や方針によって幅があります。
大切なのは期間そのものより、「いつまで保管し、どう廃棄するか」を決めて明文化しておくことです。廃棄方法(シュレッダー/データ完全削除)まで含めてルール化しておきましょう。
7. 紙カルテを電子化するとどう変わるか
ここまでの内容は紙のカルテでも実践できます。ただし、第1章で挙げた「書く場所と見る場所が違う」「次に活かされない」という2つの問題は、紙のままでは構造的に解決しにくいのも事実です。
電子化で変わる4つのこと
| 課題 | 紙カルテ | 電子カルテ |
|---|---|---|
| 検索性 | 名前でファイルを探す。過去の施術内容の横断検索は不可能 | キーワードで過去の記録を横断検索できる |
| 共有 | 1冊を1人しか見られない | 複数スタッフが同時に参照できる |
| 引き継ぎ | 担当者の記憶に依存 | 記録がそのまま引き継ぎ資料になる |
| 紛失リスク | 火災・水濡れ・持ち出しで消失 | バックアップで消失リスクを下げられる |
とくに効くのが検索性です。「このカラー剤を使ったお客様は誰だったか」「同じ悩みを持つ方に何を提案したか」を横断的に探せると、カルテは記録から接客の材料に変わります。
Lメンバーズカードではカルテの記録から顧客を検索できる機能を提供しており、記録した内容をそのまま検索条件として使えます。
また、来店のたびにカルテの枠が自動で作られる仕組みにしておくと、「書き忘れ」自体が起きにくくなります。詳しくは来店カルテを自動作成する機能の記事で解説しています。
移行の現実的な進め方
過去のカルテを全件データ化しようとすると、たいてい途中で止まります。おすすめは「今日から前向きに」進める方法です。
| ステップ | やること | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 1 | 項目を10個以内に絞ったテンプレートを決める | 1日 |
| 2 | 新規のお客様と、今日来店した方から電子で記録する | その日から |
| 3 | 来店のたびに、紙の内容から必要な行だけ転記する | 自然に進む |
| 4 | 一定期間来店のない紙カルテは、保管ルールに従い保管・廃棄 | 3〜6か月後に判断 |
過去分をまとめて入力しないのがコツです。来店したお客様の分だけ移すなら、日々の負担はほぼ増えません。しかも、しばらく来店のない方のデータを移す無駄も発生しません。
ポイント: 移行期間中は「紙と電子の二重管理」になりがちです。どちらが正か(=電子が正)を最初に宣言しておくと、現場の迷いがなくなります。
クリニックなど電子カルテを別途お使いの場合は、既存システムとの連携という選択肢もあります。クラウド型電子カルテ「MEDIBASE」との連携方法では、LINE上で診察券とカルテをつなぐ構成を紹介しています。
美容・エステ領域での施術履歴の活用方法は【美容・エステ】LINE予約+施術履歴+アフターケア配信で顧客満足度最大化、美容室での顧客管理全般は美容院・理容院でデジタル会員証・ポイントカードを導入するメリットとは?もあわせてご覧ください。
8. よくある質問
Q. カルテは毎回すべての項目を埋めるべきですか?
A. いいえ。基本情報は初回と変更時のみで十分です。毎回書くのは「施術内容」「状態・要望」「次回申し送り」の3ブロックだけにしてください。全項目を毎回埋める設計にすると、ほぼ確実に運用が止まります。
Q. スタッフによって書く内容にばらつきが出ます。どうすればよいですか?
A. 自由記述が多いことが原因であることがほとんどです。選択式を増やし、自由記述を「お客様の言葉」と「次回申し送り」の2欄に限定してください。あわせて、良い記入例を1件、見本としてバックヤードに貼っておくと揃いやすくなります。
Q. お客様の写真をカルテに残してもよいですか?
A. 施術の記録として保管すること自体は可能ですが、撮影・保管について事前に説明し、同意を得てください。SNSなどへの掲載は別の同意が必要です。撮影は店舗の端末で行い、私物のスマートフォンに残さない運用にしておくと安全です。
Q. 紙のカルテを全部データ化しないと電子化の意味がないのでは?
A. そんなことはありません。「今日来店した方から順に移す」方法で十分に効果が出ます。むしろ全件入力を目指すと途中で挫折し、紙と電子の二重管理が長引きます。過去分は保管ルールに従って保管し、来店のタイミングで必要な行だけ転記するのが現実的です。
9. まとめ
- カルテが続かないのは、項目が多すぎる/書く場所と見る場所が違う/次に活かされないという仕組みの問題。スタッフの意識の問題ではありません。
- 目指すべき基準は「30秒で書けて、次の来店時に5秒で読める」こと。基本情報は初回のみ、毎回書くのは施術内容・状態と要望・次回申し送りの3ブロックに絞ります。
- 電子化の最大の価値は検索性と共有です。移行は過去分の一括入力ではなく、来店した方から順に進めるのが確実です。
Lメンバーズカードには、LINE上で使えるデジタル会員証と一緒に来店カルテ機能があり、来店のたびに記録を残し、その内容から顧客を検索できます。予約・ポイント・カルテが同じ画面にあるため、「書く場所と見る場所が違う」という問題が起きにくい構成です。
紙のカルテの運用に限界を感じている方は、チェックインQR“1回”で全部動く仕組みもあわせてご覧いただくと、日々のオペレーションに組み込んだイメージが掴めるはずです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の判断については、必ず専門家や公式の最新情報をご確認ください。