2026年10月1日から、LINE公式アカウントの「追加メッセージ」料金体系が改定されます。
これまで配信量が増えるほど単価が下がる多段階の従量課金でしたが、改定後は「20万通まで3.0円/20万通超は2.5円」の2段階というシンプルな構造に変わります。一見わかりやすくなったように見えますが、5万通〜20万通の帯を使っている事業者にとっては実質的な値上げです。
この記事では、改定内容を正確に整理したうえで、「配信通数そのものを減らしながら売上は落とさない」ための具体策を5つ紹介します。
この記事でわかること
- 2026年10月の料金改定で「何が」「いくら」変わるのか
- 自社の配信量だと月いくら値上がりするのか(試算表つき)
- 配信コストを3割減らすための5つの実務対策
- 対策を実行した場合のビフォーアフター
この記事の目次
1. 2026年10月、LINE公式アカウントの料金はこう変わる
改定の概要
まず、変更点を1枚の表に整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 適用開始日 | 2026年10月1日 |
| 対象 | スタンダードプランの「追加メッセージ」料金 |
| 変更内容 | 多段階の従量課金 → 2段階の単価体系へ |
| 月額固定費 | 変更なし(スタンダードプランは月額15,000円) |
| 無料メッセージ通数 | 変更なし(スタンダードプランは月30,000通) |
重要なのは、変わるのは「無料通数を超えた分=追加メッセージの単価」だけという点です。月額固定費や無料通数そのものは据え置きです。
改定前後の単価テーブル
追加メッセージの単価は、次のように変わります。
| 追加メッセージの通数帯 | 改定前(〜2026年9月) | 改定後(2026年10月〜) |
|---|---|---|
| 〜50,000通 | 3.0円 | 3.0円 |
| 50,001〜100,000通 | 2.8円 | 3.0円 |
| 100,001〜200,000通 | 2.6円 | 3.0円 |
| 200,001通〜 | 2.4円 | 2.5円 |
ポイント: 追加メッセージが5万通以下のアカウントは、単価3.0円のままで影響ゼロです。逆に、5万通を超えて配信しているアカウントは、これまで効いていた「ボリュームディスカウント」がなくなるため負担が増えます。
なお、追加メッセージを購入できるのはスタンダードプランのみです。コミュニケーションプラン・ライトプランを使っている場合、そもそも無料通数を超えた配信ができないため、今回の改定による直接の影響はありません。
2. 【試算】自社はいくら値上がりする?配信量別シミュレーション
「うちはいくら増えるのか」を、追加メッセージの通数別に試算しました(すべて税別)。
| 追加メッセージ通数/月 | 改定前 | 改定後 | 差額 | 年間換算 |
|---|---|---|---|---|
| 30,000通 | 90,000円 | 90,000円 | ±0円 | ±0円 |
| 50,000通 | 150,000円 | 150,000円 | ±0円 | ±0円 |
| 100,000通 | 290,000円 | 300,000円 | +10,000円 | +12万円 |
| 200,000通 | 550,000円 | 600,000円 | +50,000円 | +60万円 |
| 300,000通 | 790,000円 | 850,000円 | +60,000円 | +72万円 |
月20万通を配信しているアカウントで、年間60万円のコスト増。これは無視できないインパクトです。
自社の追加メッセージ通数を確認する方法
まずは現状把握から始めましょう。LINE Official Account Manager の「分析」→「メッセージ配信」から、月ごとの配信通数を確認できます。
そのうえで、次の式で追加メッセージ通数を計算します。
追加メッセージ通数 = 月間の総配信通数 − 30,000通(無料枠)
ここで見落としがちなのが、LINEの課金は「配信数 × 友だち数」でカウントされるという点です。友だち1万人に一斉配信を1回行えば、それだけで1万通を消費します。月4回の一斉配信なら4万通。友だちが2万人に増えれば、同じ配信回数でも8万通になります。
つまり、友だちが増えるほど、何もしなくても配信コストは自動的に増えていく構造です。今回の改定は、この構造的な問題を改めて突きつけるものだと言えます。
3. 配信コストを3割減らす5つの対策
値上げへの対応は、大きく分けて2つしかありません。「払う」か「配信通数を減らす」かです。
ただし、単純に配信回数を減らせば売上も落ちます。目指すべきは「通数は減らすが、売上は維持または向上させる」こと。そのための具体策を5つ紹介します。
対策1:セグメント配信で「全員配信」をやめる
最も効果が大きく、最も実行しやすいのがこれです。
友だち全員に同じメッセージを送るのをやめ、「そのメッセージが刺さる人にだけ」配信します。
| 配信の種類 | 対象 | 想定通数(友だち2万人の場合) |
|---|---|---|
| ❌ 全員配信 | 友だち全員 | 20,000通 |
| ✅ 直近3ヶ月未来店の休眠層のみ | 全体の約30% | 6,000通 |
| ✅ ゴールド会員のみ | 全体の約10% | 2,000通 |
同じ「1回の配信」でも、対象を絞れば通数は7割減になります。しかも、関係のない人に届かなくなるためブロック率も下がり、開封率・クリック率はむしろ上がるケースがほとんどです。
Lメンバーズカードでは、来店回数・最終来店日・会員ランク・購買金額・アンケート回答・顧客追加項目などを条件にした絞り込み配信が可能です。「誰に送るか」を設計するだけで、コストと成果を同時に改善できます。
対策2:一斉配信を「自動メッセージ」に置き換える
「毎月◯日にクーポン配信」といった定期の一斉配信は、トリガー型の自動メッセージに置き換えられないか検討しましょう。
| 一斉配信 | 自動メッセージ(トリガー型) |
|---|---|
| 全員に同じ日に送る | 個々のお客様のタイミングで送る |
| 通数=友だち数 | 通数=条件に合致した人数のみ |
| 反応率は低め | 「自分ゴト」なので反応率が高い |
たとえば「誕生日クーポン」を全員に一斉配信すると友だち数ぶんの通数がかかりますが、誕生日トリガーで自動送信すれば1日あたり数通〜数十通で済みます。年間で見れば通数は同じでも、月ごとのピークが平準化され、無料枠の30,000通に収まりやすくなるというメリットもあります。
対策3:リッチメニューを「配信の代わり」に使う
見落とされがちですが、リッチメニューの更新には配信通数がかかりません。
「今月のキャンペーン」「新メニューのお知らせ」といった常設情報は、メッセージで送るのではなくリッチメニューに載せることでゼロコストで告知できます。
さらに会員ランクごとにリッチメニューを出し分ければ、ゴールド会員だけに限定特典のバナーを常時表示する、といった運用も可能です。
ポイント: 「押し出したい情報=配信」「いつでも見られる情報=リッチメニュー」と役割を分けるだけで、月2〜3回ぶんの一斉配信を削減できます。
対策4:非アクティブ層を配信対象から外す
半年以上まったく反応がない友だちに配信を続けても、コストがかかるだけです。
- 過去6ヶ月、一度も来店・クリックがない層を特定する
- 「復活キャンペーン」を1回だけ打つ
- それでも反応がなければ、以降の定期配信の対象から外す
これだけで、多くの店舗で配信対象を2〜3割圧縮できます。反応しない層を切ることは、単なるコスト削減ではなく、配信全体の反応率を正しく測れるようにするという意味でも重要です。
対策5:「送る」から「開かせる」へ導線を変える
最も本質的な対策がこれです。
LINEミニアプリのデジタル会員証を導入すると、お客様はポイント残高・スタンプ・クーポン・回数券の残数を確認するために、自分から会員証を開くようになります。
| 従来 | 会員証がある場合 |
|---|---|
| 店側から情報を「送る」 | お客様が自分から「見に来る」 |
| 送るたびに通数が発生 | 何回見られても通数はゼロ |
| ブロックされたら終わり | 会員証は資産として残る |
「ポイントがあと200円分たまっている」「スタンプがあと2個で特典」といった状態は、それ自体が来店動機になります。配信に頼らない再来店の仕組みを持てば、配信回数を減らしても売上は落ちません。
4. 対策を実行するとどうなる?ビフォーアフター
友だち2万人・月4回の一斉配信を行っている店舗を例に、対策前後を比較します。
| 項目 | 対策前 | 対策後 |
|---|---|---|
| 月間配信通数 | 80,000通 | 34,000通 |
| 内訳 | 全員配信 20,000通 × 4回 | セグメント配信 8,000通 × 3回+自動メッセージ 10,000通 |
| 追加メッセージ通数 | 50,000通 | 4,000通 |
| 月額コスト(改定後単価) | 165,000円 | 27,000円 |
| 年間コスト | 198万円 | 32.4万円 |
配信通数を約6割削減し、コストは8割以上の圧縮。しかも配信の中身は「関係のある人にだけ届く」ようになるため、反応率は改善するのが一般的です。
ポイント: いきなり全部やる必要はありません。まずは「対策1:セグメント配信」だけでも、多くのアカウントで通数を3〜5割減らせます。10月の改定までに、まずここから着手することをおすすめします。
5. よくある質問
Q. ライトプランを使っていますが、影響はありますか?
A. 直接の影響はありません。今回の改定はスタンダードプランの追加メッセージ単価に関するものです。ただしライトプランは無料通数が月5,000通で、これを超える配信はできません。友だちが増えて配信できなくなった場合はスタンダードプランへの変更が必要になり、その時点で今回の単価が適用されます。
Q. プランを変更したほうが安くなりますか?
A. 追加メッセージ通数が多いほどスタンダードプランが有利なのは変わりません。プラン変更よりも、配信通数そのものを減らす設計のほうが効果が大きいケースがほとんどです。
Q. セグメント配信にすると、届く人が減って売上が落ちませんか?
A. 実務上は逆になることが多いです。関係のない配信はブロックの最大要因であり、全員配信を続けることは「将来の到達可能人数を削っている」のと同じです。対象を絞った配信のほうが、開封率・クリック率・来店率のいずれも高くなる傾向があります。
Q. 対策はいつまでに始めるべきですか?
A. 改定は2026年10月1日からです。セグメントの設計や自動メッセージの設定には運用の慣らし期間が必要なため、9月中に着手しておくと、改定初月から効果を出せます。
6. まとめ
- 2026年10月1日から、LINE公式アカウントの追加メッセージ単価が「20万通まで3.0円/超過分2.5円」の2段階に改定される
- 5万通〜20万通の帯を使うアカウントは実質値上げ。月20万通なら年間60万円のコスト増
- 対策の本質は「払う」ではなく「通数を減らして成果は維持する」。セグメント配信・自動メッセージ・リッチメニュー・非アクティブ層の整理・会員証による来店動機づくりの5つが有効
Lメンバーズカードは、LINEミニアプリのデジタル会員証を軸に、セグメント配信・自動メッセージ・会員ランク別リッチメニューまでを1つの管理画面で運用できるサービスです。「配信を減らしても回る仕組み」づくりについて、まずはお気軽にご相談ください。
※本記事の料金情報は2026年8月時点の公表内容に基づいています。最新の料金体系は、必ずLINEヤフー社の公式発表をご確認ください。